「親知らずは痛くなってから抜きましょう」で良い?
歯科受診中に親知らずがあることが分かり、「親知らずは痛くなってから抜きましょう」と言われたことはありませんか。確かにそれでも良い場合もあるし、反対のこともあります。
「親知らずが痛くなった」ことで来院された患者さんは、診断の結果、親知らずの痛みや周囲の炎症ではなく、手前の歯(第2大臼歯)が歯髄炎で痛んでいました。過去に親知らずがあることは指摘されていたので、てっきり痛くなったのは親知らずだと思っていたそうです。指摘されたのはかなり以前。いつの頃からかじわりじわりと第2大臼歯の後面に虫歯が発生し、年月を経て症状が出たのですね。
治療は歯髄炎に対しては抜髄(所謂神経を取るという治療)で、智歯は抜歯。親知らずの存在が分かってから程なく抜歯していれば少なくとも抜髄は防げたかも分かりません。
「親知らずの辺りが痛くなる」のは、
- 親知らず部分の歯肉の炎症(智歯周囲炎)
- 親知らずの虫歯が原因で歯髄炎
- 第2大臼歯の歯髄炎
が考えられ、状態のチェックが必要ですね。